「怪しい」と感じるメディアの発言
サイエンスゼロの「
原発関連は、改竄だの隠蔽だの「裏」の匂いがプンプンするものです。上の番組のあるワンシーンから匂ってきました。それは、23:20のシーンのアナウンサーの一言。「放射線医学総合研究所によるホールボディーカウンターの調査では、今の所、水に溶けない粒子(セシウムボール)を吸い込んだ人は発見されていない」という発言。これをプンプン発言と名付けます。
どういう文脈の中でプンプン発言がされたかと言うと、
1.セシウムボールが発見された
2.セシウムボールが非常に危ない
3.セシウムボールは危なくない
というように中立的「な風」に様々な意見を取り入れながら話を展開していたのですが、その最後のあたり、3の所で述べられました。プンプン発言は非常に強力でした。「セシウムボールは吸い込んだら危険ではあるが、そもそも吸い込んだ人がいない」という内容です。セシウムボールの危険性を相殺しました。( 一般人から見ればそう聞こえました)
しかし、そんな大事な発言にも関わらず、何人調査したのか、をテレビの中では公表しておりません。また、非常にあっさりと情報を流しているのもちょっと気になります。他の専門的な話を持ち出す際は、他の研究者の所にインタビューを行ったり、絵やサブタイトルを使って、印象的に情報を流したりしています。しかし、大切な部分であるにも関わらず、この部分はサブタイトルが無く、専門家ではないアナウンサーがさらっと説明しているだけなのです。「怪しい」と思いました。
そこで、まず、気になった「ホールボディーカウンター」について調べてみました。これは、体内に存在する放射性物質を体外から計測する装置です。この装置でセシウムボールが体内に存在するかわかるそうです。この装置の信憑性と調査の仕方について調べました。
①「ホールボディーカウンターは受ける必要はない?
http://mominoki-iin.com/whats/20120116/
②「ホールボディーカウンター 調べて分かった被曝の現状」
http://synodos.jp/fukkou/1129/4
①のサイトから、放射線を出すヨウ素131の半減期が非常に短いのですが、ホールボディーカウンタによる検査を始めた時期が遅れたせいで、ヨウ素131がほとんど見つからなかったこと
②のサイトから、現状の被曝状況を調べても被曝当時の被曝の程度が分からないこと
がわかりました。
そうして、「放射性物質が体内から抜けるのを待つために、敢えて検査の時間を遅らせたのでは?」とより一層怪しく思ってしまいました。
次に、アナウンサーの発言がなんの情報から抜粋したものかを調べてみました。
恐らく以下のサイト。
http://www.env.go.jp/chemi/rhm/kisoshiryo/attach/201510mat2-06-47.pdf
平成23年6月27日から平成27年1月31日までに24万2,974名が放射線医学総合研究所を含む11機関によってホールボディーカウンタによる内部被ばく検査を受けたようです(放射線医学総合研究所は1年しか関わっていないようです) また、この1年の期間で、放射線医学総合研究所は、ホットパーティクル(セシウムボール)の調査をしていたように思えます。放医研がプルトニウムなどのアクチニド核種の内部線量に詳しい専門家を調査期間中に募集していたようで、ここから考えられます。
http://ameblo.jp/don1110/entry-11107326251.html
結局、一番知りたかった「何人に調査をしたのか?」が分かりませんでした。恐らく、直接問い合わせたのでしょう。今は、不信感だけ残っています。
専門的な話をする時は、論文と同じように、正確で具体的なデータが欲しいなと思った日でした。