自分分析学

言葉にしてみたい衝動の行き先

代表的日本人を読んで 〜日蓮上人編〜

日本を代表とする僧侶、日蓮上人。法華経を弘めた人物である。法華経の概要を紹介するために、

あなたも菩薩になろう!―イキイキ生きる6つの方法|法華経の教え|仏教の教え|日蓮宗ポータルサイト

のサイトを一部抜粋する。これは六波羅蜜と言って、仏になるために行う6つの修行である。

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この6つを極めたのが日蓮上人だ。彼の特徴について3点記述する。

 

勇敢

日蓮上人は日蓮宗以外の宗教を、地主を、幕府を敵に回した。彼らは、日蓮上人の布教活動を、流刑や死刑を持ってやめさせようとした。そして、日蓮上人は幾度も命が危険にさらされる。それでもなお、彼は命の危険をかえりみず、当時、価値が低くみられて他の宗派と比べて盛んでなかった日蓮宗を布教しようとした。結果、現在では約400万の信者がいる。これは、日蓮上人のおかげであるといって間違いない。

 

西郷もそうであったが、これは命よりも大義を大切にしている姿勢ゆえにできることだ。これは、日本における昔の偉人の共通項である。勇敢であることは、多少の危険もある。勇敢であるためには、揺るがない信念が必要だ。その信念が間違っていた場合、逆に世の中にとって大悪党になってしまう。ヒトラーが良い例だ。ゆえに、勇敢になる前に慎重になるべきだ。自身の信念が正しいのか幾度も検証をして、意を決して行動する。行動し始めたら、ぶれずに突き進むべきだ。書経でも「疑謀は成すなかれ」という言葉でこのことを述べている。これは「自分がこれから行うつもりのことに少しでも疑いがあれば、止めるべきだ。疑念や不安は心の毒薬のように自信を揺るがし断行力を削ぐ。確信をもって行動すためには、核心に触れるまで努力しなければならない。」という意味である。

 

 粘り強さ

幕府はあの手この手で布教活動を辞めさせようとするが、最後には断念し、日蓮上人に自由に布教活動を行なって良い権利を与えることになる。日蓮上人の粘り勝ちである。

 

粘り強くあるためには、確固たる信念が必要だ。その信念がある粘りは人を動かす大きな力を有する。ガンジーキング牧師も長い間粘った。その結果、相手を動かすことができた。相手は、理に動かされたわけではない。彼らの情に折れたのである。その情、つまり熱量を最も表現できる手段が粘りである。予想をはるかに上回る粘りを見せることで、相手が途方も無い戦いを想起し、精神的に疲弊し、折れる。相手にとってどんなに理不尽なことでもひっくり返すことができる荒技、裏技が「粘り」なのだ。革命家にとって「粘り」は必須の要素である。

 

宗教

自分は日本の宗教観は嫌いではない。以前TEDで紹介されていた日本の宗教観についての解釈を引用する。

「クリスマスと正月が同居する日本」に世界の宗教家が注目! 寛容の精神に見る、宗教の本質とは - ログミー

 

当該webサイトでは、他国が「believe in something」なのに対し、日本は「respect for something or respect for others」であると紹介している。ゆえに、日本は他宗教に対し、寛容なのであるという。これくらいの感覚なら、もしかしたら寧ろ宗教観は持っていた方が、マスの人格の形成の為に良いかもしれない。宗教は、悪いイメージを持たれがちだが、結構、真っ当なことを書いているように思える。例えば、先に紹介した日蓮宗の修行内容についてだが、当たり前とされている大事なことを述べている箇所が幾つも見受けられる。①の布施の「世のため人のためにつくしなさい。」とか。②の持戒も見てみよう。「むやみに生き物を殺さない」「盗みを働かない」「道に外れた邪なことはしない」「うそをつかない」「酒によって自分を見失わない」、、、大事なことばかり書かれている。宗教は人間をコントロールする力を持っている。その力を善く使うことができたら、宗教は善いものでありそうだ。さらに、この本が紹介している宗教の有用性についてここに紹介する。

私どもは、自分の能力をはるかにこえる願いごとをもち、世の与えうるよりも、はるかに多くのものを望むという、妙な存在なのです。この矛盾を取り除くためには、行動はともかく、少なくとも思想の面でなにかをしなければなりません。

宗教は得てして欲を抑えるものだ。人は欲が原因で争いを起こす。つまり、本来、宗教は争いを防ぐためにあるものだ。

 

これにて、代表的日本人の感想文を終える。